倭田 信也

先日、MGMTの来日公演を観に大阪松下IMPホールへ。
前回の初来日時は梅田シャングリラだったので今回が2回目。私は初めて観る。

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結果から言うと私見ではあまり良いライブではなかった。
演奏は良いが箱の音が…私は前列中央にいたが見過ごせない程にバランスが悪い。低音にキレがなくてかつ音が悪い意味で分離している。踊れる曲も踊れんよ。客の盛り上がりに助けられた感があったのは否めない。

メンバーはギターボーカル、シンセ、ギター&シンセ、ベース、ドラムの5人とステージ横にVJが1人。
音作りも非常にシンプルでV歌とシンセとドラムがサウンドの中核。終盤でのフロイドよろしくなサイケインプロを除けば大体の曲がスタジオアルバムに近い形で演奏されていた。ボーカルの歌唱力が上がっていた。ステージ登場時からかなり盛り上がりで、「Kids」(もちろんカラオケ)をピークにメンバーも楽しみながら気合の入った演奏を聴かせてくれた。集客はおそらく1200〜1300ってところ。

曲が良いのは知っていたからその世界観を存分に味わいたいと思っていたが、いかんせん音がよろしくない。勢いで押し切る分音のバランスが大事なのだが(それを補うほどの技術を彼らはまだ持っていない)、低音から中低音にかけてボワンボワン反響して音がもたついてバンド全体が靄がかったような。音も大きいとはいえず、もっと音圧があれば心地よく聴けたんじゃないかという印象。
外人の付きオペだったしこれが狙いなのかと思ったが、会場のIMPホールについて調べると、なんでもこの会場は音楽ライブ専用の箱じゃなく公演会やセミナーなどに普段使用されているとのこと。
成程。
たしかにそう言われてみれば、会場にドリンク売り場がないし、ロッカーもないので部屋のスペースの一角に仮設したクローク(金とゴミ袋を交換して受付に預けるという代物だが)を使用、果てには開演直前になんばHatchの公演案内、それは本演奏を聴かせるだけで空間を作ろうとしない会場とミスマッチからきていたものだったのかと。
同行した友人やライブ後の評判を見るにあまりそのことに関しては触れられていないのだが、まぁそれがロック音楽たる所以なのかと思ったり。

今後この会場に足を運ぶことはないだろうが、音楽用に作られた会場以外を使用する際には音響面でかなりのリスクを伴うしこれを反面教師に自身の場合でも慎重に吟味して満足のいく場・空間を提供することを心がけたい。

1stより。現代のサイケデリアとしてこれに並ぶものはそうないのでは。

http://www.youtube.com/watch?v=R8d8TWY0ZEQ&feature=related

これなんか観るとああやっぱりニューヨークのバンドだなと感じる。Talking Headsのカバー。

http://www.youtube.com/watch?v=MTiFNQBRwwU&feature=related