今年の音源(川本 賢)


 新譜よりも旧作を多く聴き漁っていた2010年。YMO周辺の音源を中心に発見が多い1年でした。


 Yellow Magic Orchestra『BGM』(1981)
 今年最大の再発見。インスタントに消費されない快感と、それに反しない絶妙な温度。未来は過去にあると感じた1枚。


 坂本龍一『音楽図鑑』(1984
 ここ最近聴いたアルバム。2曲目の“Etude”のメロディと展開には本当に舌を巻いた。彼独特のメロディは、正に胸キュン。



 細野晴臣『Tropical Dandy』(1975)
 就職活動中になぜかよく聴いた1枚。YMOの以前の、彼のエキゾティックな趣味がよく表れたサウンド。気分は香港かバンコク



Special Others『The Guide』(2010)
 彼ら4人の姿から溢れてくる何とも言えないピースフルな雰囲気に何度も泣かされた。今年のフジ・ロックでのライブは雨と涙でぐちょぐちょ。



 ♪Kimonos『Kimonos』(2010)
 『Zazen Boys?』にあったクールなエレクトロの方向性を推し進めたただひたすらクールな1枚。冷凍都市の夜のためのサウンドトラック。


 ♪Vampire Weekend『Contra』(2010)
 今年初めてアメリカで1位になったアルバム。彼らの音楽が「ポップ」として認知される世の中なら、まだまだ希望が持てるとも思う。This is POP!!


♪やけのはら『This Night Is Still Young』(2010)
 ついに自分の気分にぴったりとフィットするヒップホップのアルバムに出会うことができた、というように感じたほどよく聴いた1枚。ここには、ユーモアと思い出、そして終わらない音楽への愛情がある。2010年の夏の思い出と共に。