今年の音源(井上大地)

今年の音源10
できるだけ2010年に発売したものを中心に、今年1年よく聴いたCDアルバムを紹介します。


アジアンカンフージェネレーション「マジックディスク」(2010年)
「迷子犬と雨のビート」など、トランペットやストリングスの音色が印象深いですね。音楽の幅の広いアジカンが聴けます。アルバム通して若者の焦りや不安が歌われてて、共感できます。「キミ」と「ボク」の関係性が強調された、セカイ系歌詞も顕在。「迷い犬」がOPに使われているアニメ、『四畳半神話体系』にはまりました笑


七尾旅人「ビリオン・ヴォイシズ」(2010年)
独特の風貌と世界観を持ち、ジャズやテクノ、民族音楽など様々なジャンルを取り入れた音楽は非常に興味深いです。
同志社大学のEVE祭で、声で飛行機の音を再現するなど、情景が浮かぶようなコーラスパフォーマンスは、音楽の表現の可能性を強く感じました。


○MagicKids「Memphis」(2010年)
ビーチボーイズを意識した甘いメロディと、「夏」っぽさ。誰もが、感慨深い「夏」の思い出を持っているとは思いますが、そんな「夏」を思い出すかのような気持になりますね。非常にドリーミーで心地よいです。


くるり「言葉にならない、英顔をみせてくれよ」(2010年)
「温泉」「洗濯」がテーマだったり、生活臭のするシンプルなアルバム。「目玉のおやじ」は傑作。くるりはこれから、「東京レレレのレ」に見られるような民謡を取り入れた方向性を発展させていくのでしょうか?


Linkin Park 「A Thousand Suns」(2010年)
従来のリンキンの持ち味であったシャウト、ヘヴィーロックは完全に形を潜め、よりリズム感を意識したR&Bやヒップホップの要素を強く取り入れています。アルバムの半分はSEなどインスト曲。賛否両論ながら、これは間違いなく正当な進化を遂げたリンキン。特徴的な美メロと様々なジャンルをクロスオーヴァーさせた奥深い音で、アルバムを通して世界観を楽しむことができる良作です。


Underworld「Barking」(2010年)
今作はドラムンベースを取り入れた「Scribble」のように、新たなUnderworldの方向性がかいま見えます。それは太いベース音でクラブをグイグイ引っ張っていった力強さとゆうより、踊り疲れた後のチルアウト感ではないでしょうか。ジャケットやPVなど、アルバム全体のアート性が非常に高いのも好みです。


Two Door Cinema Club「Tourlist Hidstory」(2010年)
仏レーベル「Kitsine」からのギターポップバンド。いわゆるニューレイヴ系。メロディセンスとノリの良さは、最近の若手バンドの中でも頭一つ飛び抜けてると思います。テンション上げたいときは、常にこれでした。


BoredomsVision Creation Newsun」(2001年)
初めて聴いたときの衝撃と言ったら。五感で感じる音楽です。Boredomsマイブラのノイズは、お酒との相性が非常に良いです。


サニーデイサービス 「サニーデイサービス」(1997年)
今年最もよく聴いたアルバム。音楽とか小説の良さは、自分とは違う時代、違う場所に生きる人のものの感じ方、考え方を感じることができる点にあると思います。このアルバムも90年代の若者の素直な気持ちや、情景が歌われていて、胸にすっと入り込んできます。


My Bloody ValentineLoveless」(1991年) 
シューゲイザーの金字塔作品。今年はシューゲイザーにはまりましたね。巷にはたくさんのシューゲイズなアルバムが溢れてますが、やはり「Loveless」を越える作品はないのでは。甘美なメロディと、バックで漂うように演奏される轟音がマッチしてます。


次点 
Kimonos「Kimonos」(2010年)
ミスターチルドレン「Sence」(2010年)
DeerHunter「Microcastle」(2008年)